CREAM FAREWELL CONCERT 1968 THE FILM

 

CREAMは、1966年に、Ginger Baker, Eric Clapton, Jack Bruceの3人によって結成され、1968年11月26日のフェアウェル・コンサートを最後に解散したイギリスのバンドです。1993年の一時的な再結成と、2005年に再結成のライブを行っています。

Jack BruceGinger Bakerがすでに逝去していますので、新たな演奏を聴くことはできません。

 

個人的には、1960年代の全員20代の頃の演奏が好きなので、2005年の再結成をライブを視聴しても、それほど感動はなかったことを覚えています。

 

CREAMの映像作品といえば、1968年11月26日のロイヤルアルバートホールでのフェアウェルコンサートが有名ですが(というよりも、これ以外にまとまったライブ映像というのはほとんどないわけですが)、いろいろ映像や音質に難ありなことでも有名かと思います(個人的には90年代のはじめに映画館(ミニシアター)で、この伝説公演の上映を観たこともCREAMにはまるきっかけのひとつだったのですが)。

この1968年11月26日のライブ映像は、VHS版の「クリーム伝説公演」も持っていましたし、DVDも持っています。BDは、あまりにも酷評されているので買っていません。

 

数年前に、さまざまな映像を編集して、このライブを再現したものが、DVDで流通していましたが、音質は、正規版よりもずっとマシですが、映像は、必ずしも素晴らしいというほどのものではありませんでした。映像はYouTubeで観ることが出来ます。

Cream Farewell Concert 1968 (Complete in Real Time) - YouTube

 

今回、新たなDVDが売られているようでしたが、どこを探してもレビューらしきものをみることができなかったので、購入してみました。

CREAM 1968 FAREWELL CONCERT THE FILM DVD - BOARDWALK

Cream クリーム/フェアウェル・コンサート 1968年 London,UK 1968 Multi-band Audio & Remaster Film

Cream / Farewell Concert 1968 The Film / 1DVD With OBI Strip – GiGinJapan

 

販売しているサイトでは、以下のような解説が書かれています。

 

1968年にクリームは解散ツアーを行っており、ハイライトのロイヤルアルバートホール公演はTVドキュメンタリー用に撮影されている。その時の映像がビデオからフィルムへキネコーディングされて保存されていたのだが、その過程で画質と音質が極端に悪くなっていた。これまで公式で出ていたものはすべてこのキネコフィルムを使用しているため、とにかく画質と音質が劣悪であった。2012年になって、このドキュメンタリーを撮影した監督が自身で保管していた元の2インチビデオテープの存在と、そこからの再DVDリリースに向けた準備をしていることを発表したが、結局今に至るまで2インチビデオのマスターからのリリースはされていない状況である。本作は、そのトニーパーマーの2インチビデオマスターより収録したもの、そして複数の映像を編集することで同ライブの完全収録したものの、2パターンの映像を収録している。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。日本語帯付。

 

最初買おうかどうか迷いました。「これまで公式で出ていたものは・・・とにかく画質と音質が劣悪であった」と書かれていますが、今回リリースされたもののクォリティについては全く書かれていなかったということが迷った理由の1つ。と、曲数が明らかに少なかったからです。

01.introduction
02.Sunshine Of Your Love
03.interview Jack Bruce
04.Politician
05.interview Eric Patrick Clapton
06.White Room
07.Spoonful
08.interview Ginger Baker
09.Toad
10.interview Jack Bruce
11.I’m So Glad

“Crossroads”、”Sitting on Top of the World” は収録されていません。ただし、おまけ?の Complete Concert Film の方には収録されています(これは上述のものと同じです)。

 

とは言え、買い逃してしまったら後悔するに違いないと思い、買ってみました。

 

さて内容です。

音声はクリアです。映像もクリアです。

正規版とは比べ物になりません。

マスターはきれいだったんだということが分かります。

 

正規版(左)と今回の2インチマスター版(右)との比較

 

ただ残念なことに、しょせんDVDの解像度ということに加えて、ビットレートが低いのか、何よりも動きの激しいシーンのブロックノイズがひどい。これは前回のDVDもそうでしたが。大画面で観るのにはちょっときついものがあります。

DVD1枚に収めるためにこうなったのかもしれませんが、既に発売されている「Complete Concert Film」なんて収録してなくていいから、高ビットレートエンコードして欲しかったと思うのは素人考えでしょうか。

(追記:アップスケーリング機能のついたDVDプレーヤーで視聴すると、ブロックノイズは全く気になりませんでした。)

 

静止画像だけでは、ブロックノイズの感じは分かりにくいかもしれません。

 

 

謎の水玉演出もそのままです。

 

構成は、正規版のDVDに収録されている45分版に近い感じですが、全く同じというわけではないようです。


高画質のビデオマスターがあるなら、いずれ将来的に、高画質のリマスター版のBDとか出る可能性もあるかなぁ、と淡い願望を抱いてしまう、というような内容でした。

物の価値って人によって違うと思いますので、何とも言えませんが、90年代からCREAMのプライベート盤CDを集めてきた私にとっては、とても楽しめる1枚でした。

画質も音質も正規版より圧倒的に上です。ただし、あくまでもDVD水準で、曲数も少ないのが少し残念ですが、CREAMが好きな人にはお勧めです。